糖尿病のかたにとってインスリン注射はありがたいものですが、できれば注射以外の方法でコントロールされたいとの希望が大きいことも事実であろうと思います。
2006年1月、欧米では吸入型インスリン製剤が承認され、臨床応用がすでに始められていますが、きょう読んだ『糖尿病と代謝』(Vol.35,No.2,2007)によると、食後の血糖上昇に対する効果はあり、食前インスリン投与法として承認されているものではありますが、現時点では痛みを伴わないこと以外には、皮下注射より優れている点はないように思われる、とのことでした。逆に、問題点としては、インスリン必要量が8-10倍増加するため費用がかさむこと、インスリン投与量の微調節ができないこと、製剤(吸入器)が大きいことなど指摘されています。
日本ではいつ使えるようになるのか気になるところですが、よりよいインスリン製剤が開発されたように、長くいい状態で糖尿病を管理していれば、きっとよりよい方法がでてくることでしょう。
現在できうる方法で良好なコントロールをめざしつつ、今後の医学の進歩に期待したいですね。